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2005/02/11 ハマジムの夜明け

[] [] [更新(著者用)]

★カンパニー松尾インタビューを紹介して下さった方、ありがとう
ございます。できるだけ多くの人に読んでほしいので、どんな形で
も、ここのアドレス貼っていただけると嬉しいです。個人サイトを
お持ちの皆様、よろしくお願い致します。

★今日は、安田理央さんのブログの2月7日分
http://d.hatena.ne.jp/rioysd/20050207)について、反論を。

★HMJM(ハマジム)ホームページ
http://www.hamajim.com/
作品の通販はここからどうぞ。

______________________________

 昨年の初夏、カンパニー松尾率いる新メーカー・ハマジムは始動
した。最初に作品を手に取ったときのことを鮮明に覚えている。レ
コードサイズの紙ジャケの中に、ライナーノーツとステッカー。今
まで見たことのない、信じられないくらいかっこいいAVだった。

 リリース予告を見てそのラインナップに思わず家で立ち上がって
小さく叫んだ。本当なら、誰かと、大勢でこの興奮をわかちあいた
かった。すごい、すごい、すごい。何かが変わる予感に血が騒いだ。

 けれども私はハマジムについて何も書かなかった。ハマジムの作
品は、これから、今までAVを見たこともないような人にも受け容
れられる作品だと思ったし、AVを普段見ている人たちのことを驚
かすことのできる作品だと思ったからである。ハマジムのことや、
カンパニー松尾のことなんか何も知らない人が、あの紙ジャケに目
を引かれて立ち止まる、そんな光景を何度となく想像した。そんな
まっさらな状態のお客さんにとって、私が思い入れタップリに書い
たような文章は暑苦しいだけで邪魔なんじゃないかと思っていた。
カンパニー松尾が、とか平野勝之が、とか監督名を出して語ること
すら「エロくなさそうだな」「小難しそう」「通好みっぽい」とい
う先入観を与えることになりはしないかと思っていたほどである。
それよりは余計なことは言わず、ただ作品のエロさ・面白さで勝負
したほうがいいんじゃないかと思っていた。

 そしてその結果がこれだ。びびって何もしなかった結果が、ハマ
ジムの新作リリース凍結である。図々しいことを言うが、私はその
責任の一端は自分にあると思っている。

 自分にそれほどの影響力があるとうぬぼれているわけではない。
自分が何か書いたぐらいでハマジムの売上が変わるなんて思わない。
けれど、自分が心底いいと思ったものを誰にも買わせることができ
なくて、何がライターかと思う。有名でないライターの影響力なん
て知れている。たとえ私がエロ本でハマジムについて書きまくった
としても、それがどうしたってなもんだろう。無名ライター。部数
の少ないエロ本。だけどそれが何の言い訳になるんだろうか。

 売れないなら、状況が苦しいなら、どんな汚い手を使ってでもア
オって、泣かせて笑わせて、文章でアジりまくって、一人でも多く
の人にそれを「見たい」と思わせることがライターの仕事なんじゃ
ないのか。自分が信じたものを、届くべき人のところに届くように
力の限り遠くまで投げるのか、ライターの仕事なんじゃないのか。

 現状を分析し、売れていない原因を探るのは大切なことかもしれ
ない。けれど、私はハマジムの作品が商品として売れるとか売れな
いとか語られることにものすごい違和感を感じる。

 商品としてどうか、ということより先に、作品として凄すぎるか
らである。カンパニー松尾の才能は全盛期と呼ばれた「私を女優に
して下さい」からさらに研ぎ澄まされて肥大して、本人もそれを持
て余しているような感じすらする。

 金が大事なことは、知ってる。5千円が安くないことも、知って
いる。商売が重要なことだというのもわかっている。けれど、ハマ
ジムからこんな怪物みたいな作品が生まれたことに比べたら、それ
が何なのか。この狂喜のほかに、ハマジムについて語るべきことが
あるとは思えない。売れるとか売れないとか、そんなことは誰より
ハマジムの人たちが血の滲むような気持ちで受けとめていることだ
ろうし、そもそも見る側の人間にはその作品が売れていようがいま
いが全く関係ないことではないのか。自分にとって面白い作品か、
心の拠り所になる作品か、そういうことが全てじゃないか。

 私は一度だけ、ハマジムのDVDが飛ぶように売れ、完売した現
場を見たことがある。

 それは豊田道倫のライブ会場で、ハマジムのスタッフがカートに
DVDを詰めて売りに来たときだった。この安くないDVDを、み
んな一枚とは言わず二枚、三枚と手にとって財布から万札をバンバ
ン出していた。

 たかが一度の、ライブ会場での話だろう。しかもカンパニー松尾
と関わりの深い豊田道倫のライブである。ファンが集まるところな
ら売れて当然という見方もできるだろう。でも、買ってくれたのは、
いつもセルビデオを買っている人たちとは違う人たちである。おそ
らく初めてAVを買った人も、一人や二人ではなかっただろう。

 私はそれを見ていて、死ぬほど後悔した。何もせず傍観者でいた
昨年を激しく後悔した。あれだけ「Auction02」に、「UNDER
COVER JAPAN」に、胸えぐられて救われて、傑作だと知りながら、
何やってたんだ。ハマジムの作品を届けるべきところはもっとたく
さんあったんじゃないのか。私は、昨年の自分への復讐戦をやりた
い。今から、今、やりたい。

 さぁ、ここを読んでいる人たち、いま熱くなったならその勢いで
ハマジムの作品を買ってくれ。たかが4、5千円の金で感動が買え
るということを私が今、教えてやる。セックスに餓えて、セックス
に憧れて、セックスを妬み、セックスに溺れ、セックスに感情を揺
さぶられている、そんな人が見るためのAVだってあるのだ。

 鋭い批評や業界全体の分析を書くのもライターの仕事だろう。け
れど、少なくとも私が憧れに憧れた「ライター」という仕事は、そ
んな仕事ではない。見る側の人間とともに熱狂し、その熱を伝えて
いく、そんな仕事だから憧れたのだ。売れているものだけが正しく
て、売れているものだけがいいもので、資本主義の価値観だけが全
てだということを書くためにライターになったんじゃない。私の仕
事は、いいものはいいと馬鹿みたいに大声で叫ぶだけの仕事だ。

 安田さん、ハマジムはレンタルAVと心中なんかしない。ハマジ
ムがメーカーとして商売に失敗しようが、そのことはカンパニー松
尾の才能にかすり傷ひとつつけることはできない。半年売れなかっ
たぐらいのことが、何なんだよ。笑い飛ばせることでしょう。こん
な恐ろしいほどのものが実ったメーカーに対して、どうしてそんな
に後ろ向きになれるのか私にはわからない。金を稼げなかったら負
けなのか。才能は金では買えないでしょう。絶望なんて、ばからし
すぎる。

 最後に、カンパニー松尾の言葉を。

「俺がどうしてハマジムでこんな純粋なものを出したかって言うと、
半分狙いだったんだけど、逆に100%違う路線で最初っから「麗
しのキャンペーンガール」をやるっていう手もあったんですよ。普
通のトールパッケージでね。でも、俺はそれやってもそんなに売れ
ないだろうっていうのがなんとなくあった。何でかよくわかんない
けどね(笑)。あと、姿勢を正したいっていう気持ちがあってさ。
遠回りかもしれないけどここで姿勢を正さない限り、自主独立には
ならないんですよ。とりあえず先に売れ線の作品を作って、売れた
から好きなことやりますよっていうのでは、正論ではあるけれど本
当の意味での自主独立ってことにはならない。俺は遠回りでもいい
から、ディレクターの自主独立っていうのを基準にしたかったから
こうなっちゃった。だからこの形では苦労するんだよ、絶対に。最
初っからトールパッケージで普通のものやってれば3年でめどが立
ったでしょ、きっと。だけどこの形では5年かかると思う。だけど
選んでしまったんですよ、この泥船パターンを(笑)。こっからで
すよ、僕たちは。だから「UNDER COVER JAPAN」がいいって言っ
てもらえて嬉しいんだけど、僕らは営業的な部分ではムチャクチャ
な不安を抱えながらやってるんですよ。実際今まで月一枚のペース
で出してきましたけど、今年からは月一枚出ないっていう可能性が
非常に高い。まぁもう出ないですね。その中でまずハマジムを維持
しながら、今の売れる売れないだけで計られている業界の中でどう
やって自分たちのものをある程度売れるところまで持っていくかっ
ていうのがね、もう泥船の中で浸水してくる水をみんなで掻きだし
ながら漕いで、その横を大型タンカーがスーッと通り過ぎていくよ
うな(笑)そんな作業ですね。こっからまだ、道のりは長いですね」

2005/02/13 ハマジムについて その後

[] [] [更新(著者用)]

★↓の文章「ハマジムの夜明け」に対する、安田理央さんのお答え
が掲載されています。http://d.hatena.ne.jp/rioysd/20050211

※初めて読む方のために、時系列にまとめておきます。
これは、カンパニー松尾監督率いるAVメーカー・HMJM(ハマジ
ム http://www.hamajim.com/ )についての、安田理央さんと
私雨宮の論争です。いや、もう平和的に終戦ですけどね。

■2/7 安田理央さん 「レンタルAVの見た夢」
http://d.hatena.ne.jp/rioysd/20050207

□2/8 雨宮まみ 「カンパニー松尾インタビュー・その1」
http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/addict/200502a.html#20050208
□2/9 雨宮まみ 「カンパニー松尾インタビュー・その2」
http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/addict/200502a.html#20050209
□2/10 雨宮まみ 「カンパニー松尾インタビュー・その3」
http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/addict/200502a.html#20050210

□2/11 雨宮まみ「ハマジムの夜明け」
http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/addict/200502b.html#20050211

■2/11 安田理央さん 「ライターのおしごと」
http://d.hatena.ne.jp/rioysd/20050211

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ご意見を書いてくださったサイト(2/13現在)

●知ったかぶり週報
http://www.sittakaburi.jp/

●every japanese woman cooks her own curry(松江哲明監督)
http://d.hatena.ne.jp/matsue/20050211

●allrecedby(all reced by) メディアジャック掲示板
(ターボ向後監督)
http://8537.teacup.com/mediajack/bbs/

●エヴィサン。(遠藤遊佐さん)
http://diary4.cgiboy.com/0/endo_yusa/index.cgi?y=2005&m=2#12

紹介してくださったサイト

○毎日jogjob日誌(東良美季さん)
http://jogjob.exblog.jp/d2005-02-07

○日記ちょう
http://strange.toheart.to/diary/diary.cgi?Date=2005-02-10

○二村ヒトシ監督×DIARY
http://www.dogma.co.jp/NIMURA/DIRECTOR/DIARY/index.cgi

みなさん、ありがとうございます。
この殺風景なサイトをご覧になってもおわかりの通り、私はこうい
うネット関係のことというのが本当に苦手で、今のところ把握でき
た分だけ掲載してみましたが、載せこぼしているところがありまし
たらすみません。
______________________________

そして、一番うっと来たご意見。
●peach
http://blog2.fc2.com/peach/blog-entry-158.html#more

 AV業界の人に「ハマジムはこれが理由で売れない」ということ
をいくら言われても、所詮ひとごとという感じがしてそれほど痛く
はないけれど、これはお客さん側からの正直な意見で、痛かった。
しかも「売ってりゃ買う」とまで言ってくれているのに……。今す
ぐ訪問販売で手売りしたいくらいだ(迷惑です)。

 ネット通販は私も実は苦手で、一度「買う」ボタンを押したあと
で住所や何やらを記入したり、次のページに行って確認ボタンを押
したりするのが面倒で途中でやめてしまったことも何度もあるので
気持ちはよくわかる。私は商品がリリースされる前に予約をしたら
発売日当日の朝に届いたので、「来るまで待たなきゃいけない」と
いうイラつきはなく、「こんなに早く届いて嬉しい」と思ったけれ
ど、「見たい時にすぐ買えない」のは確かにイヤです。

 「EPサイズの紙ジャケは店頭では目立つはず」というご意見は実
は微妙で、面置き(表面をばっちり出して置かれること)されれば
目立つけれども、棚に差されてしまうと普通のDVDより薄いから
全然目立たないという危険性もあります。

 けど、やっぱりそれ以前に「お店に置いてない」ということがネ
ックでしょうね。私も本当はお店で買いたい。店で買うほうが気持
ちがいいから。

 多くのショップに流通させることが難しいというのはわかるので
すが、少なくとも確実に「あそこに行けば買える」というお店があ
ると、だいぶ違うかなと思います。
私が好きなアーティストにECDという人がいるのですが、ECD
氏は自分のCDを自主制作・流通していて、おそらく自分で出荷し
ていると思われます。ライブ会場の直売りと、タワーレコード新宿
店や高円寺の円盤など特定のショップと通販で売っていますが、本
人のBBSにいつも「どこに置いている」「どこにまだ在庫がある」
「どこのライブで新作を売る」などの情報が書き込まれ、ファンの
人には確実に情報が伝わっています。
こういう状況になれば、少なくとも「欲しい」と思ってくれている
人の手には届くのではないかと思いますが、どうでしょうね。

雨宮まみ <pinksoda@md.neweb.ne.jp>

DiaryServer Diary/1.106 (DiarySrv::Diary/1.211 ; Compress::Zlib/1.34)
Created: 1997/12/09, Updated: 2004/01/04